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ロンドン4日目(1/11)

Roding1Roding2Roding3ロンドン郊外のRoding Valley High Schoolを訪問。2005年にPerforming Artsのスペシャリストスクール(研究指定校のようなもの)に選ばれた学校。7-11年生の5学年で1280人。30人×8学級で1学年が構成されている。つまり学級数は40学級という計算になる。実際の授業は,習熟度や少人数に対応しているため,8学級を10に分け,gifted and talented(優秀な生徒)やSpecial Education Needs(学力遅進や学習障害等の生徒)の取り出し指導を除いた学習集団で行われる。この学級数に対してプロジェクタ43台。学習集団のほとんどがプロジェクタ有で授業をしている計算だ。インタラクティブホワイトボードは15台で,この整備が現状の課題とのこと。生徒用のコンピュータは350台なので,3.7人に1台ということになる。教員約120名で教員用ラップトップPCは80台。ここもさらに整備中とのこと。事務系+支援系が80名雇用されており,そこにもPCがある。教職員は合計約200名。
学校の総予算は約500万ポンドということなので,約12億円。もちろん200名の教職員の人件費も含む。勝手な計算だけど,120名が年収500万円として6億,残り80名が仮に平均年収300万円としても2.4億円。残りは3.6億円。この中から,光熱費や修繕費,消耗品等を支出することになる。
予算のうち,ICT関連の支出は2006年は約14万ポンド(=約3,400万円)。上の勝手な計算が正しければ,人件費以外の学校予算の約1割はICTにつぎ込まれている。これはかなりの割合だと思う。一般的な企業ではどんなもんだろうか。国が示す基準(PC1台あたりの児童生徒数など)を整備するために,しっかりと予算を割り振る。その件について質問したところ,もしそうしなければOfsted(学校査察機構)によって未整備の評価がなされ,それが公開され,結果的には保護者からの信用失墜や,生徒入学者の減少につながるとのこと。そうなると予算も減ってしまうので,教職員への給与も支払いにくくなる。だから教職員もがんばるしかない。
日本との学校制度は違うけども,いろいろ考えさせられた今回の英国訪問だ。
夕方から,野中さんの在外研究中の指導教官のアブリル教授のご自宅を訪問。ブライトンまで電車で1時間だったが,楽しい時間を過ごすことができた。ジェフの料理は今日もおいしかった。ご夫妻と野中さん,ありがとうございました。

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海外出張」カテゴリの記事

コメント

堀田先生:
関です。詳細な英国レポート、ありがとうございました。毎日楽しみに読ませていただいています。
「楽しむにしかず」とか。先生も残りの英国旅行を楽しんでくださいネ。

投稿: 関 幸一 | 2007年1月13日 (土) 05時43分

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