「学校教育の情報化に関する懇談会」を欠席(5/27)
「学校教育の情報化に関する懇談会」は,とても重要な会議だ。第1回は数十名の傍聴があった。第2回,第3回は企業発表だったためclosedだったが,それでも多くの政府関係者の傍聴がある。
ぼくはこれまで3回はすべて出席したが,あいにく第4回は教授会とぶつかってしまった。実は第1回も教授会とぶつかっていて,教職大学院に移籍してすぐの教授会を,専攻長にお願いし,先生方にお詫びして欠席したところだったので,さすがに今回は欠席するわけにはいかなかった。一方で第4回の懇談会もいよいよ討論という段階で重要なフェーズだった。
幸い,教授会は早めに終わり,研究室に戻ることができたので,インターネット中継で懇談会を傍聴した。こんな時,勤務先と霞ヶ関が遠いのが恨めしい。懇談会には,意見書を提出しておいたが,ぼくが中継を傍聴し始めた頃は,それらの紹介は終わった後のようだった。委員からいろいろと意見が出されたが,その多くは「学校教育をどうしたいか」という願いのようなものだった。もちろんそのような理想をイメージすることの重要性は否定しないが,この懇談会は学校教育の「情報化」に関する懇談会だということ,あと1ヶ月で中間報告をまとめることになっていること,第2回・第3回は具体的なソリューションを拝聴した後の第4回であることなどを踏まえると,大きな話ばかりになるのをじれったい思いで視聴した。そんな中,野中先生は現実的な意見を主張した。ぼくは,さすがだと思った。でも全体の中では,何となくアウェイな意見として位置づけられた印象で,このことはとても残念だった。
ぼくが書いた意見書はきっとまもなく公開されるだろう。ぼくはこう思っている。学校教育の情報化については,もはや20年以上,議論されてきた。全教科で行うべきと,新学習指導要領にも反映されている。それでもまだ十分には普及していないのだとすれば,今になってなお「全教科でやるべきだ」という主張は実効性のないものだということに気づいてほしい。そういう戦略には無理があるのだと思う。だからどうするか。そこを議論したいところだ。学校現場の現実から浮世離れした議論で,学校現場を混乱に陥れるような結果になったら,何のための懇談会かということになる。
次回第5回は遅刻出席となる。ちゃんと発言できるよう考えていこう。
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コメント
教育に関しては特に「結果の平等」を求められすぎだと思います。そのために「理想の実現」を強いられ、「現実論」は疎んじられ、結局何年経っても成果がでないように見える。それの繰り返しだから、現場も疲弊してしまう。もう一つは、人的サポートが「なさ杉」です。教員に残業代がないから、人件費はタダだと思われていて、そのために何をするにもすべて現場の教員に押し付けられる。昨年のICT補助事業で、大型テレビや電子黒板やPCの配備がありましたが、その設置作業は現場任せ。ただでさえ忙しい現場にそれを求めれば、授業での活用は広まらないでしょう。
投稿: 落伍弟子 | 2010年5月30日 (日) 12時58分