KERIS訪問(9/8)
UTプロジェクトとしての視察の2泊3日の韓国視察。朝の便で羽田空港から金浦空港へ。ところが先に出発したはずの内田洋行チーム3名の乗ったJAL便が羽田空港に引き返したとのこと。
というわけで野中先生,高橋君とプデチゲを食した後,KERISへ。KERISではMs.Kimほか3名による韓国の教育の情報化政策の説明をしてもらう。韓国の教育の情報化政策は,2000年頃は日本と変わらなかった。しかし2005年に全教室に大型の提示モニタを設置(現在も段階的にリプレイス中),その後,デジタルコンテンツを整備し,同時にNEIS(校務情報化システム)を完成させ,さらにCyber Home Learningのシステムも稼働している。この2年間は,デジタル教科書のプロジェクトが成果を出しつつある。
2000年からの韓国のこの分野の予算規模は,日本の地方交付税措置とさほど変わらない。したがって,ついてしまっている大きな差は,その予算が各地方自治体によって十分に活用されなかったということによるものだ。もちろん地方に権限委譲することが我が国の選んだ道なのだから,誰を責めることもできない。強いリーダーシップをとれなかった文部科学省を非難する声もあるが,今や文部科学省は監督官庁ではないのだから,それは望んでも無理というもの。
そんなことわかっていても,ジリジリとついていった差が,今となってはとても追いつけそうにない段階まで広がっていることには,強い焦りを感じざるを得ない。隣の国との大きな差に,子どもたちの将来を憂う気持ちを持った。
韓国の授業スタイルは,基本的に我が国と同じように伝統的な一斉授業だ。一斉授業を批判する人の多くは,一斉授業を「一方向の情報垂れ流し授業」と勘違いしているが,もちろんそうではない。特に義務教育段階では,一斉授業は十分に双方向的であり協働的である。むしろ韓国のそれより我が国の方がはるかにインタラクティブだ。だから,一斉授業を支援するICT環境を教室に整備すること -すなわちそれは情報共有のための提示装置をまず整備すること(韓国がそうしたように)- が何よりも急がれる。そして,その後でさえあれば,児童生徒の考えを活かすことに長けている我が国の教員なら,児童生徒用ICTの導入が功を奏するはずだ。
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