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朝日新聞にコメント掲載(1/22)

A本日付の朝日新聞国際面(13面)に「PC 1人1台 光と影 教育への導入 各国模索」という記事がある。日本の部分にぼくのコメントが短く掲載されている。
朝日新聞は常々このテーマについて取材をしていた。氏岡編集委員がぼくのところにお見えになったのは半年前だった。熱心に取材され記事を書かれる様子にいつも感心する。
今回のコメントだけでは伝わらないかも知れないので,ぼくの見解を示しておく。
ぼくは「1人1台情報端末」の政策には賛成だ。家庭や社会にこれだけ普及しているものが学習の道具になり得るのであれば,導入は進めていくべきだろう。
行政事業レビューなどでは批判的な声も出されているが,これは検証の仕方についての批判であり,必ずしも「1人1台情報端末」の政策を否定しているわけではない。ちなみに付言すれば,ICT活用の時にだけ「明確な教育効果を」となるが,考えてみれば道具や環境の評価は,それを活かした実践全体によってしか評価できないものであり,そうだとすれば評価結果は数十年後の社会で活躍する人材の様子をもって行うしかないということになる。短期的な効果を求めるとすれば,漢字や計算の定着度がよくなったというような定着が図りやすい内容のテストの成績の向上か,いろんなものを調べることが楽しくなったというような意欲面の評価となり,それでは意味がないと言われると評価不能ということになる。学校現場でトレンドになっているさまざまな教育方法1つ1つに,そうやって効果検証をしているのだろうか。ぼくは,ICT活用によって教えやすくなったという教員や,わかりやすくなったという児童を何千人も見ているから,ICTに対する誤解や不信を見るたびに「成功事例を一度見たらいい」と常々思う。そういう観点からも,評論だけでなく現場の声を抑える今回のような記事の冷静さに感心する。
さて,ぼくは「1人1台情報端末」の政策には賛成だと書いたが,それに到達する前にやるべきことをやっていない場合には,順番にやった方がいいと言う事にしている。それは,教員が教えるために活用する大型提示装置(電子黒板や大型テレビ,プロジェクタなど)と,その大型提示装置に提示する内容を決める装置(実物投影機やパソコン,デジタルカメラなど)を,普通教室のすべてに導入し,教員が日常的に活用する段階まで高めておくことだ。経験的には,「1人1台情報端末」が来た時に,大型提示装置+実物投影機/パソコンという環境がない教室,この環境で指導経験がない教員には,授業が不能だからだ。
もう1つ,ICT活用を「授業」としてとらえれば,授業が成立するためのさまざまな要件,たとえば学ぶ姿勢の醸成や,学習規律,学習習慣,学習技能などを同時に育成していない限り,道具や環境であるICTは学校教育では功を奏しない。ICT活用の実践研究の成否は,ICTそのもののスペックではなく,実はここで決まっていることが多い。

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